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31.都内 インターネットカフェ



 すまない。あまり長くは書けないが、私はここに来たくて来たわけではないことをわかってもらいたい。家族を捨てるつもりなんてなかった。本当にすまない。丸山はプロジェクトリーダーではあったが、実際に研究を進めていたのはこの私。だが、NSAはそれを知らずに、開発部長の職を用意して丸山に声をかけた。開発者のまとめ役に過ぎなかった丸山は相当困惑したようだ。だから、推薦という名目のもとで私を拘束し、自らの体裁を保った。


 
以来ずっと私はここで研究を続けている。ICチップは未だ完成していない。丸山のせいで多くの犠牲者を出してしまったことを、悔やんでも悔やみきれない。できることならNSTLで研究を続けたかった。だが、こうなってしまった以上、もう逃げられない。鎖でつながれ、薬でのどをつぶされた。だから、私はNSAの中で研究を続けていく。それしかないんだ。今後、ICチップを本当の意味で活かすためには。


 
祐介、おまえがここに来たことは、受信室からのデータでわかっていた。もしも会えたらこの手紙と機密事項を渡そうと思っていた。だが、私が生きていることは富田所長以外には言わないでくれ。迷惑をかけて申し訳ないと伝えてもらいたい。私が失踪してから七年。もうそろそろ死亡認定された頃だろう。父はもういないのだと割り切って、自分の道を歩んで欲しい。幸せにな。

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